失敗取引:ダブルベアとダブルブル投資信託

分散投資を中心にしているとどうしてもETFを無視できません。

とくに日本の株式市場については1306や1305と言ったTOPIX連動型投信というものがあってそれを購入していればほとんどが事足ります。しかし、加重平均された指数に連動しているものを購入するときに一つだけ問題があります。

それは市場が平均化されているものですからどうしても利益が上がりにくいのです。安定している反面儲けにくいのですね。

市場のインデックスを購入しながら、それでいて利益の上がる商品はないか?個別銘柄でないものをということでダブルブル、ダブルベア商品に行き当たりました。

ダブルブル、ダブルベア商品とは

市場に連動したINDEX型の投信です。ブルというのは牛ですから、闘牛の牛のように下から角を突き上げる。つまり上がって行く時に指数が上がる。ベアというのは上から腕を振り下ろして攻撃するから、下がっていく時に指数が上がり儲かるという商品です。

特徴的なのは掛率が2倍です。つまり日本市場が3%儲かると6%儲かる。という商品です。損失も2倍なので3%値段が下がると6%値段が下がってしまいます。それだけならレバレッジかけたのと同じじゃないか、リスクとリターンがイーブンで問題ないのじゃないかとも思うのですが、以外な盲点が有ります。

この商品は指標が行って戻って元本が減るのです。つまり、INDEXの値段が100から90に下がってから、100まで指数が戻っても、95%とか元本が減った状態になるのです。

この行って戻って元本減少というのが問題で市場は常に値段が上下変動して増えたり減ったりして流れといったものを形成していっているのに、たとえ指標が戻ったとしても持っているだけでどんどん元本が減っていってしまうという商品がブル・ベア型の商品になります

つまりこの商品は一本調子であがることが見込まれるときはダブルブルを、またはこれからは一本調子で下がることが見込まれるときはダブルベアを

ここぞと買わなくてはならない。

これだけでとても難しい商品であるということがわかります。しかも投資信託ですので一日のうちでも時間制限が有り、購入するまでの意思表示に締め切りがあります。証券会社ごとに15:00で締めるとかそういったルールがあるのです。ETFのように株として思った時に即時に売ってしまうという手法がとれない。一日に1回くらいしか取引ができない。売りたいという時に売れるETFと違い小回りが非常にききにくいのですね。

こういった商品は非常にかぎられた条件でしか使えないはずです。

1、持っているあいだに上下どちらか一方向に動き続ける相場であることが推察されるとき。なお、それが短期であること。(一方的なバブル、あるいはバブル崩壊の局面であること)

かつ

2、その取引が証券会社の決まった時間、15:00などの締めに影響されても影響がない。

これらの条件をみたすことはかなり難しいでしょう。

指標が一方向にうごくのはバブルが生成される時期、あるいはバブル崩壊局面ですが、そういった局面では急激な判断が必要とされ、また売買の機会も頻繁に欲しいものです。

ダブルベア、ダブルブルというレバレッジ200%の商品であれば購入してから1時間後には売るとか、購入してから30分後には売るという操作が必要なはずです。

しかし、証券会社の投信の締めが15:00だから一日に1回しか売買する機会がありませんという商品構成ではまずいわけです。シロウトが買ってはいけない商品の典型例といえるでしょう。しかし、プロでもこの商品は選択しないでしょう。売りたいときに売れないという商品です。プロにもリスクのほうが高過ぎると思います。

この商品おそろしいことに2009年の大暴落のちにちょっと触っていたんですね。この買物は失敗でした。行って戻って元本減少ということに気がついた次点で解約し、少量目減りしただけですみました。しかし手数料が高い。2%3%は取られるので買って売って6%という丸損な内容でした。気がつくことができただけで上出来だったと思います。

 

投資を算数と確率で考える