ファンダメンタルズ分析 損益計算書:最後にいくらの利益が残るのか

損益計算書(PL:Profit Loss)は売上からはじまって、かかった費用を除いて行ったら最後にいくらの利益が残るのかということです。損と益を計算しているという名称そのままです。


 

みなさんパチンコやりますか?いまはパチンコをするひとが減っているので、あまり簡単に理解してもらえないかもしれません。とくにここに来ている人ならあまりパチンコは打たないでしょう。皆さん賢明で、リスクというものがわかってますから(笑)。さて、損益計算書はこのパチンコに似ています。パチンコというのはこんな玉があってですね。(笑)えっ知らない?(笑)。パチンコ球を下から打ち出します。最終目標はパチンコ台中央にある、パカパカの中に玉を入れて、ドラムを回し、絵を揃えて大当たりを得ることなのですが、途中にあるくるくる回る風車やパカパカが邪魔をします。

100個パチンコ玉を打って風車に邪魔されず通過するのが50個、パカパカを通ることのできるのが20個、ドラムを回すことができるのが10個、ドラムで大当たりが当たるのが1個というところでしょう。つまり、進行する過程でどんどん選別されて落ちていくのですね。これと損益計算書は似ています。最後に純利益という状態に残ることができるのがどのくらいなのか、何%なのかが問題です。当然はるばると売上から純利益まで持っていける会社がすごいのです。

わたしパチンコは嫌だわという人は噴水の水や川の流れを思い浮かべるのでもいいと思います。噴水のたもとでは水は100%のこっているんだけれども、最後の方まで行くとちりじりになって、もとの水量はありません。お金もまた同じで流れています。そのお金がどの程度最後にのこるのか、流量、フローを表したのが損益計算書なのですね。

そして流れをみるものですから、期間が問題となります。流れる早さや、量を算定するときは流れるに要した時間を見ます。通常は1年単位で企業が1年間にどれだけの売上をあげ、そのうちどの程度が利益に残るのかを見ていくこととなります。BS貸借対照表については項目を別にしてお話しますが、BSはレントゲン写真のようなものである一定の定点をもって会社の資産の構成をみています。だからBSは計算日が2015年3月1日とか一日しか書いていないはずです。


 

さて中身を見て行きましょう。上から書きます。

2014年4月1日〜2015年3月31日 単位:億

【損益計算書】


 

I)売上高        200    

−売上原価        120

II)売上総利益      80

−販売費及び一般管理費  10

III) 営業利益      70

−営業外収益       10

−営業外費用       20

IV)経常利益       40

−特別利益        4

−特別損失        6

V)税引前当期純利益   30

−法人税住民税及事業税額 15

VI)当期純利益      15

 


 

見ていくとわかるように上から減っていってます。どれだけ残るかを見ています。

売上原価というのはいわゆる原価です。仕入れたものなどのそのものの費用です。販売費及び一般管理費とは会社には経理や生産管理など直接的に生産にかかわらないスタッフ部門がありますが、そのための費用です。

そうして売上高から売上原価と販売費及び一般管理費を引いて出た費用が営業利益です。営業利益は利益を上げるためのエンジンです。これは営業外の収益、利息などを勘定にいれずに計算されたものですから、企業の本質のようなものです。

少々荒いですが、株価スクリーニングの上では営業利益さえ見ておけば間違いないと思います。業態にもよりますが、営業利益が5%以上行っていれば1部上場企業の中でも優良企業と言えると思います。メーカーで8%が継続的に出せるのであれば超優良企業です。独特のノウハウをもっていなければそれだけの値は出せません。銀行やサービス業では3%行っていればかなり利益を上げていると考えられます。

そう考えると上の例はかなり利益率が大きい会社だなというのがわかります。営業利益率が30%近い会社ですから通常のメーカーであるとは考えにくいです。ソフトウェアメーカーで独占的な地位を持っているような会社でなければ難しいはずです。支配的なシェアを持つOSなどを作る会社はこうなります。普通はこうは行きません。

投資を算数と確率で考える