ファンダメンタルズ分析 貸借対照表 会社のストックの構成はどうなのか

損益計算書の次は貸借対照表(B/S:Balance sheet)です。貸借対照表は今、会社に存在するa)ストックの形とb)その出どころをc)1年間を基準に比較して見てみようという表です。会社のレントゲン写真と言っていいと思います。

a)ストックの形というのは簡単です。お金、手形、株式、土地、機械、仕込み在庫などどのような形を現物としてとっているかです。

b)その出処とはお金が借金かどうかです。自分のお金ですか?借金によるものですか?

重要なのはなぜストックの形とその出どころから複眼的に見るのか?です。


 

これはケータイで考えるのがわかりやすいです。皆さんケータイはお持ちですか?わたしはiPhoneを使っています。さてこのiPhoneはここにわたしが持っていますが、これは本当にわたしの資産でしょうか?

そう!確かにわたしが今、持っていることは間違いない。でもそれは借金かもしれない。ケータイのキャリアに対して割賦販売契約つまり借金の申し込みをしているかもしれません。その場合の資産はどのように計上すればいいでしょう?資産として持ってはいるんだけれどもそのお金は借金で買っているんだということは、同じiPhoneとしてわたしが資産を持っていても意味が違ってきますね。利益関係者にとっては借財のみで資産が構成されていた場合は不安になります。ですから資産をもっているかその資産が借金からなるものかそれぞれ2つの方法で記載したリストを作り、照合・対照しながら、会社関係者にとって説明するわけですね。


 

貸借対照表の作り方。これは理解するのに作ってみるのが早いと思います。まずもっている資産を列挙します。みなさんも自分の持っている資産を列挙してみてください。

わたしのもっている物リスト

パソコン20万円、

現金160万円、

指輪20万円、

iphone 9万円。

持っている人は土地1000万円ということで入れてください。

 

これをそれぞれ自分の資金で購入したものか、借金をして購入したものか列挙します。

パソコン20万円(自己資金)

現金160万円(自己資金)

指輪20万円(自己資金)

iphone 9万円(負債)

持っている人は土地1000万円(負債)

自己資金はパソコン、現金、指輪の合計200万円です。

借金負債はiphoneと土地の合計1009万円です。

さてこれから貸借対照表を作ります。

 

C)記入するときに1年で分けて考える。


ここで1年で分けて記入するようにしてください。これは1年で分けると理解が進むからです。借金をみなさんしたことがありますか?スマートフォンにも割賦販売契約がありますから借金をしているかもしれません。また、学生ローンをしているかもしれません。学生ローンは基本的に無利息で運用されているのであまり問題になりませんが、金利というものはその借入れたお金を返却するのが1年を超える長期のなのか、短期なのかで扱いが変わってきますよね?

借金の金額が多いのであれば当然問題になりますが、とくに1年以内、短期で返済するお金が多いのであれば問題になります。1年以内に返済するには当然ながら1年以内に現金を集めるか、持っている資産を売るかしてお金を作らなくてはなりません。


1年を超えたものが固定。1年以内のものが流動です。資産と負債を1年かそれ以上かの流動と固定でわけます。

パソコン20万円(自己資金)→固定資産

現金160万円(自己資金)→流動資産

指輪20万円(自己資金)→固定資産

iphone 9万円(流動負債)→固定資産

持っている人は土地1000万円(固定負債)→固定資産

自己資金はパソコン、現金、指輪の合計200万円です。

借金負債はiphoneと土地の合計1009万円です。

あとはこれらを並べるだけです。左借方(かり方)と右貸方(かし方)です。


bsSample

 


 

そしてこのようになりました。キレイに資産の部と負債の部が1209万円ということで一致しましたね。この状態をバランスしているといいます。ですからバランスシートというのです。

※厳密にいうと固定資産は20万円以上の資産かつ1年以上の利用を指しますが理解を助けるためにiphoneであっても固定資産扱いとしています。

 

次の項目ではこの作った貸借対照表をどのように読んでいくのか説明します。

 

投資を算数と確率で考える